ペットの資格には国家資格と民間資格があります。では、国家資格と民間資格はどのような違いがあり、どう選べば良いでしょうか?この記事では選び方や違いについて整理します。また、選び方についてもご紹介していきます。
目次
国家資格とは?
国家資格の定義
まず、国家資格の定義についてご紹介します。
つまりは、国の法律で規定されている資格で、知識や技術が一定の水準以上であることを国や都道府県が認定・管理するものを「国家資格」と呼びます。
ペット・動物に関する国家資格の例
では、具体的にペットや動物に関する国家資格にはどんな資格があるでしょうか?ペット・動物に関わる資格でもっとも有名な資格は獣医師があげられると思います。実はそのほかにもペット・動物に関わる国家資格はいくつか存在しています。
- 獣医師(獣医師法)
- 動物愛護監視員(動物愛護法)
- 狂犬病予防員(狂犬病予防法)
- 狩猟免許(鳥獣保護法)
- と畜検査員(と畜場法)
- 種畜検査員(家畜伝染病予防法、家畜改良増殖法)
- 家畜人工授精師(家畜伝染病予防法、家畜改良増殖法)
- 家畜防疫員(家畜伝染病予防法、家畜改良増殖法)
- 食鳥処理衛生管理者(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律)
※カッコ内は根拠法
民間資格とは?
民間資格の定義
民間資格は、社団法人などの民間団体や企業・学校が独自の基準で認定する資格です。多くの民間資格は、業界の発展・向上を目的に作られており法律の規制・定義がありません。
定義がないからといって、信頼性がない訳ではなく就職などに有利になったり顧客からの信頼を得ることができる場合もあります。
環境省認定の民間資格とは?
民間資格の中でも国が指定する民間資格があります。国家資格とは異なり法律などで明確に基準定義・管理されているものではありませんが、一定信頼されている民間資格です。
具体的には動物愛護法で指定される動物取扱業という事業者の登録が必要な制度で環境省が民間資格を指定しています。動物取扱業登録を手続きするにあたり、各事業所に動物取扱責任者を設置し、その責任者は「公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営もうとする第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明」を有している必要があるとされています。
動物愛護法の中では、上記の通り具体的には動物取扱責任者の要件としての民間資格は指定されていません。ですが地方自治体によっては動物取扱責任者要件を満たす資格として、明確に資格名の記載を行なっています。下記は東京都のHPで公開されている民間資格の一覧です。
東京都HP上で紹介されている動物取扱責任者要件を満たす民間資格一覧
- 愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
- 愛犬飼育管理士
- 愛護動物取扱管理士
- 家庭犬訓練士(初級、中級、上級、教師)
- 家庭動物管理士
- 競技別指導者資格馬術コーチ
- 競技別指導者資格馬術指導員
- 競技別指導者資格馬術上級コーチ
- 公認訓練士
- 公認訓練士
- 公認馬術指導者資格コーチ
- 公認馬術指導者資格指導者
- 実験動物技術者(2 級)
- 小動物飼養販売管理士
- 乗馬指導者資格(初級)
- 乗馬指導者資格(中級)
- 地方競馬教養センター騎手過程修了者
- 調教師
- 動物介在福祉士(初級、中級、上級、教師)
- 動物看護師(初級、中級、上級、教師)
- 動物看護士(3 級)
- 動物取扱士(3 級)
- トリマー(初級、中級、上級、教師)
- 認定ペットシッター
- ペットシッター士
- NPO法人 日本ペットシッター協会
- GCT(Good Citizen Test)
- JAHA認定家庭犬しつけインストラクター
このようにペット業界で働くにあたり、動物取扱者要件を満たす資格を持っていることは一定有利に働く可能性もあるため戦略的に資格を取っていくことは重要なのではないでしょうか。
国家資格と民間資格のメリット・デメリット
国家資格のメリット・デメリット
◆国家資格のメリット
国家資格のメリットは、やはり信頼度が高いことが言えるでしょう。また、国家資格を持っていなければできないことができるようになるということはやりたい職種を行う当たっては必須となります。
◆国家資格のデメリット
デメリットは、一概には言えませんが比較的、取得までの難易度や必要な時間が多くかかるということです。法で決められている基準を満たし学校等を卒業したり実務経験が必要なものもありますので、しっかり調べた上で取得までの計画を立てることが重要です。
民間資格のメリット・デメリット
◆民間資格のメリット
民間資格のメリットは、種類が多く自分が学びたい領域をしっかり学ぶことができる点です。実践に役立つ資格も多く存在しているので、就職や仕事に活かしながら自分が好きなように学べることが魅力です。
◆民間資格のデメリット
デメリットは、資格によっては残念ながら社会的な知名度や信頼度にかける資格も存在しているという点です。資格の内容をしっかりと見た上で取得するようにすることが重要です。